
勝部 一之
パッケージデザイン開発のポイント
デザイナーから提案されたデザインを見ても、いいのか悪いのかよく分からないってことがあると
思いますけど、今日はパッケージデザインとして抑えておくポイントについて書いてみたいと
思います。以下のポイントは出来上がったデザインをチェックするポイントであると同時に
デザイナーが制作する際に注意するポイントでもあるんです。これは時代に関係なく、
パッケージの性質上、普遍的に変わらない古くから言われていることです。

目立つか? 解りやすいか?
店頭で一目して消費者の目に留まり、特徴が解りやすく表示され、そして手に取ってもらえる事が
重要です。それには訴求したいポイントを絞って、デザインはできるだけシンプルにすることです。
特に色は重要なキーを握ります。またキャッチコピーなどの文章も端的で魅力的なメッセージに
しなければなりません。整理されたレイアウトは見やすくなり、見る人に好感を与えます。
独自性はあるか?
数ある競合商品の中で、独自性を発揮することはパッケージデザインを考える上で最大のテーマと
言えます。他商品と同じようなデザインをしていると店頭で埋もれてしまいます。
確かなアイデンティティを消費者に「認識」、「共感」してもらい、「記憶」として残る仕掛けが
必要です。そのためには特徴あるブランドロゴ(商品名)、色、マーク、写真などのデザイン要素をしっかりと作り込んでいきます。
らしさはあるか?
必要なトーン&マナーを設定しなければなりません。誰に買ってもらいたいのか、
明確なターゲット層を意識した「世界感」を表現することが重要です。また一般品か高級品か、
価格感によってデザインは変わります。すでにある商品で消費者にはある程度のイメージが
出来上がっています。つまりコーヒーはコーヒーらしい、ジュースはジュースらしいという
「商品らしさ」や「雰囲気」も併せて考えなければなりません。
中身の抽出はできているか?
商品はパッケージデザインが良いからといって売れるものではありません。当たり前のことですが、
中身そのものが良くないと永く愛される商品にはなりません。思いのこもった中身(商品)を、
的確に表現することがデザインの役割です。色やレイアウトだけではなく、パッケージの素材や形、
風合いなども商品性を伝える重要な要素です。それらがやがて消費者に共感を呼び、心に残り、
ブランド化されていきます。
商品の種類やサイズなどによって、チェックポイントは変わってきますが、基本的な部分は
変わりません。一読して分からないと思いますので、機会を見て具体的な例を上げて説明します。